高度に組織化されたデータ発表と中央銀行の決定を通過した後、ファンダメンタルズ分析で最後に意識すべきことがあります。イベント・リスクとは、マーケットを動かすもので、あなたが予想できないものを指します。
ニュースのヘッドライン:
ヘッドラインには実に多くの種類があり、あらゆる場所から発信さ れます。信頼できるものもあれば、そうでないものもあります。面白い事に、マーケットから最も注目されるのは、信憑性の低いヘッドラインであることが多いのです!
ニュースターミナルでは、外国為替マーケットを動かす可能性のあるニュースヘッドラインが配信されていないか、常に注目して下さい。中央銀行総裁や政治家のコメント、予期せぬ好悪の経済ニュース、あるいは人生を変えるような新しい発明のような奇抜なものでさえあります!これらのニュースがトレーダーの画面に表示された場合、トレーダーはまず売り買いのボタンを押し、質問は後回しにすることが多いでしょう。
自然災害:
自然災害は、誰も読みたくない見出しのひとつですが、残念なことに、私たち全員にとって、自然災害は人生の事実です。日本列島を揺るがし、何度も津波を引き起こした日本の大地震を覚えているのではないしょうか。トレーダーは日本円のエクスポージャーを手放し、安全な米ドルを求め、米ドル/円は瞬時に急騰しました。
自然災害は人が計画できるものではないが、世界のどこで起きてもソーシャルメディア上で即座に報道されます。自然災害の見出しに釣られたとしても、言い訳はできません。
テロ攻撃:
テロ攻撃、宣戦布告、政治的緊張は、すべて外国為替マーケットに影響を与えます。記憶に新しいところでは、フランスの首都パリで起きた同時多発テロがある。ユーロ圏の消費マインドや消費支出にどのような影響が出るか懸念され、またリスクオフ・マーケットで米ドルに逃避する動きが見られた。
テロが発生し、報道される頻度が高いので、マーケットが全然動かないかもしれないというのは、人間社会が今置かれている状況を反映しているようで悲しい限りです。北朝鮮が水爆実験に成功したと報告してもマーケットが動かないのなら、いったい何がマーケットを動かすのでしょうか。
この場合、広範な財産や人命までもが失われるような出来事から利益を得るかどうかという疑問が出て来るわけですが、これは私たちが答えられることではありません。しかし、私たちが言いたいのは、このような出来事は、私たちが今日生きている世界における事実であり、何よりもまず、最低限このような出来事に対するリスク管理をしなければならないということです。